相続トラブル②~相続放棄って何?~
掲載日:2015.05.29
本日はクイズをちょっとお休みして、相続放棄について書いてみたいと思います。
相続はあまり身近な話ではないかもしれませんが、いつか必ず役に立つと思いますので、最後まで読んでいただけると幸いです。
さて、「相続放棄」ですが、これは字のごとく、相続人がその権利を放棄することです。
これまで、誰が相続人になるかということを考えてきましたが、相続人になる人は「相続する」or「相続しない」という選択ができます。
この「相続しない」という選択が相続放棄なのですが、ではなぜ相続放棄が必要なのでしょう?
相続人は、亡くなった方の財産(相続財産)を引き継ぐわけですが、これにはマイナスの財産、いわゆる借金なども含まれるのです。
ですから、例えば相続財産が次のような場合
(プラスの財産) 預金10万円
(マイナスの財産)借金200万円
プラスが10万円でマイナスが200万円ですから、単純に計算すると、190万円の借金を相続する。ということになります。
借金だけを相続したくありませんよね?このような場合のために、相続放棄があるのです。
また、相続放棄には期限があり、原則として相続発生後3カ月以内にしなければなりません。
この期限を過ぎると、借金も含めて相続することになってしまいますので、「大した財産がないから手続はあとでもいいや」と放置しておくと、思わぬトラブルになるかもしれません。
なお、相続放棄をした人は相続人ではなくなり、次の優先順位の方が相続人になります。
図の場合、小太郎くん(順位①)が相続放棄すると、源太郎さん(順位②)が新たな相続人になるのです。
ちなみに、相続放棄をする場合には、必ず家庭裁判所に申立(相続放棄の申述)をしなければなりません。
ですから、個人間で「相続放棄をする」という内容の書面を作っても、法的には効果がありませんので、お気を付けください。
相続人全員が相続放棄をするとどうなるのか、という問題もあるのですが、それはまた別な機会にしたいと思います。
ではまた次回をお楽しみに!