相続のはなし~戸籍のしくみ③本籍地と住所地の違い~

掲載日:2022.06.18

さて、戸籍には「本籍地」という住所に似た地名番地などが記録されていますが、実は、これは住所地と異なるものであることをご存知ですか。
住所と似た記録がされているので、同じものだと勘違いされる方が多いかと思いますが、本籍地と住所地というのは全く別物なのです。
住所地は、住民票に登録された個人の住所(通常は住んでいる場所)であるのに対し、本籍地というのは、日本国内どこでも自由に定めることができます。
そもそも、本籍というのは、本籍地と筆頭者で個人を特定することで、個人の身分関係(親子関係、婚姻関係)を確認するためのもので、どこに住んでいるかを証明するためのものではないのです。
そう考えると、本籍地というのは、その方の本籍(記録)であることを特定するための記号のようなもので、その記号がたまたま住所と似ているだけ、とも言えます。

住民登録は実際に住んでいる市区町村で行わなければならないのですが、本籍地は別途届出しなければ変更されません。
住所を何度変更しても本籍地は移転しないので、本籍地は大阪で住所地は札幌ということもあり得ます(私がそうです、、)。

ただ、本籍地と住所地が異なっていると、戸籍謄本や住民票を取得する役所が別になってしまい、証明書を取得する際に不便なので、住所地と同じ市区町村に本籍地を定める方が多いでしょう。
住所を変更する際は、本籍も移転(転籍)させるかどうか、ということも検討されるとよいかと思います。

では、また次回お楽しみに!

司法書士 たつみ