会社の登記のはなし~株式会社の設立費用が安くなった?~

掲載日:2022.05.14

さて、本日のテーマは株式会社の設立費用についてです。

株式会社を設立する場合の一般的な手続費用のうち、大きなものとして定款認証費用と登記費用(登録免許税)があります。
認証費用は公証役場、登録免許税は法務局でそれぞれ規定の金額を納めるのですが、このうち定款認証の費用が変更されました。
これまで、定款認証費用は会社の規模に関わらず一律5万円(電子認証の場合)でしたが、令和4年1月1日より、設立する会社の資本金の額により費用が変動することとなりました。
資本金の額と費用は以下のとおりです。
①100万円未満⇒3万円
②100万円以上300万円未満⇒4万円
③300万円以上⇒5万円

ご覧のとおり、資本金が300万円未満の会社については定款認証費用が減額されることになります。
小規模の会社を設立する際の費用が若干抑えられることになり、少し株式会社設立のハードルが下がるかもしれませんね。

では、認証費用を抑えるためにとにかく資本金の額を少なくすればよいのではないか、と思ってしまうかもしれませんが、実はそう単純な話でもありません。
資本金の額というのは、登記簿により誰でも確認することができ、会社の規模を図る目安にもなっているため、金融機関の融資を受ける際や特定事業の許認可を受けようとする際に影響が出ることがあります。
そのため、設立しようとする会社が今後どのように事業を行っていくのか、融資利用の有無も含めて複合的に判断する必要があります。

興味本位で計算してみますと、今回の変更により、極限まで費用を抑えた場合の株式会社の設立費用は3万円(認証費用)+15万円(登録免許税)+1円(資本金の最低額)で、18万1円になりますね。
※司法書士に依頼する場合はこれに加えて司法書士報酬。

では、また次回お楽しみに!

司法書士 たつみ