相続のはなし~戸籍のしくみ②戸籍の種類?~
掲載日:2022.05.10
さて、戸籍のしくみを解説するシリーズ第2回目です。
今回は、戸籍の種類について触れてみたいと思います。
わかりやすくするため、ここからはすべて謄本でご説明します。
※謄本と抄本の違いは、前回の①をご参照ください。
一般的に「戸籍」と呼ばれるものには、戸籍謄本、除籍謄本、改製原戸籍謄本、の3種類があります。
何も指定がなく、単に「戸籍」と言った場合は、戸籍謄本のことを指していることが多いでしょう。
戸籍謄本は、「現在戸籍」とも言われ、対象者の今現在の身分関係を証明するものになります。
除籍謄本は、かつての戸籍謄本であり、そこに記載されていた方全員が「婚姻」や「死亡」などにより、記録から抹消された状態のものを言います。
過去のある時点の身分関係を証明しているため、例えば相続手続においてお子さんなどの相続人を調査する際に必要になります。
理解が難しいのは改正原戸籍謄本ではないでしょうか。
こちらは、除籍謄本と同様、過去のある時点の身分関係を証明しているのですが、除籍謄本とは作成される原因が異なります。
改正原戸籍謄本は、法令変更によって新たに戸籍謄本が作成され、強制的にその記録が移し替えられたことによって、過去の記録となったものを言います。
例えば直近では、平成6年法務省令により記録がコンピュータ化されるとともに、横書きとなりました。
除籍謄本も改正原戸籍も、過去のある時点では戸籍謄本であったものですので、ある方の生まれてから亡くなるまでの身分関係を証明する際は、それらを区別して一部だけ取得することは少ないかと思います。
実務的には、市区町村窓口で「死亡から出生まですべての戸籍が欲しい」と言うと、除籍謄本と改製原戸籍謄本も含めて発行されるでしょう。
もし相続手続において戸籍取得が困難な場合は遠慮なく当事務所にご相談ください。
では、また次回お楽しみに!
司法書士 たつみ