成年後見のはなし~後見人が複数いる?~
掲載日:2020.09.12
成年後見制度を利用すると、ご本人を支援する後見人が選ばれますが、後見人が複数選任されることがあります。
実は、後見人は一人でなければならないという決まりがないので、複数後見人を就けることも可能なのです。
これは、主にご親族が後見人である場合に、例えば金銭管理は司法書士などの専門家、身上監護(ご本人との面会など)はご家族と、役割を分担するということで利用されます。
ご親族が後見人である場合に専門家を関与させる方法としては、後見監督人を選ぶという方法もありますが、こちらの場合ご親族は後見人として全ての責任を負いますので、複数後見人の方が負担が軽減されることになるかと思います。
ご親族が複数選ばれるということもあるかと思いますが、専門家を複数選ぶというのは報酬の負担などを考えるとなかなか難しいかもしれません。
ただ、後見制度も制度開始から20年が経過し、ご家族の身を後見人にする場合、専門家のみを後見人にする場合、後見監督人を就ける場合、後見人を複数就ける場合、とケースバイケースで柔軟に選択するようになっていますので、よりご本人の支援がしやすいように工夫がされています。
これから後見制度を利用する方でも、「このような支援の方法を考えている」ということがあれば、家庭裁判所と相談してみるとよいかと思います。
では、また次回お楽しみに!
司法書士 たつみ
※法定後見を念頭に記載しております。
※保佐、補助の場合は後見人を保佐人、補助人と読み替えてください。