遺言のはなし~【注意】相続人の相続については指定できない~

掲載日:2020.04.06

遺言を作成する際、先祖代々引き継いで来た土地を、将来、子⇒孫⇒さらにその子、と相続させたいという希望をお持ちの方がいらっしゃいます。

ただ、実は、遺言ではこの希望を叶えるのは困難です。
と言うのも、遺言とは、そもそも遺言者(遺言する人)の相続について効果を発生させるものです。そのため、今回の事例のように、子⇒孫と相続させたいとしても、相続発生により、遺言者の財産はまず子が相続します。この時点で財産は一度子のものになっています。ここがポイントです。
その後、子が亡くなった時は、子についての相続であり、当初の遺言者の遺言の効力は及ばない、ということになります。
もちろん、遺言は効力が発生しないことでも自由に記載することができるので(付言事項)、メッセージとしては伝えることができるのですが、それ自体に拘束力はなく、実現性という点では不確かです。

今回の事例では、お子さんではなく、直接孫に取得させるという遺言であれば、ある程度希望に近づけることができるかと思います。
遺言でどこまでできるのか、というのはしっかり検討する必要があるかもしれませんね。

では、また次回お楽しみに!

司法書士 たつみ