相続放棄のはなし~相続開始があったことを知ったときとは?【放棄の期限】~
掲載日:2019.12.07
相続放棄は、自己のために相続の開始があったことを知った日から3か月以内に家庭裁判所に申立をしなければならない、とされています(民法第915条)。
ここで問題になるのが、「相続開始を知った日」とはいつのことなのか、ということです。これによってどこから3か月の期間を計算すればよいのかが決まります。
普通に考えると、「相続人が被相続人が亡くなったことを知った日」ということになるのですが、相続人の中には、被相続人が亡くなったことを知っていても、何らの手続もしない方が少なくありません。
何らの手続もせずに期限を超過してしまった場合、原則としては相続放棄をすることができなくなってしまいます。
そのため、相続人にとっては、この期間をどこから計算するかは非常に大きな影響があり、また、手続を行わないことについてやむを得ない事情がある場合もあります。
実際には、この3か月の期限は、相続人自身が、相続すべき財産があると認識した時点から起算する、とした判例があり、実務でもそのように取扱いがされています。
つまり、被相続人が亡くなり、自分が法律上の相続人だと知っていても、相続すべき財産が一切ないと信じていた場合には、3か月の期限は、相続すべき財産があると知った日からカウントすればよいということになります。
それ以外にも、事情によってこの3か月の期間をどこから計算するかが変わることがあります。
ただし、このような場合、家庭裁判所に対してその事情を説明する必要がありますので、具体的な手続については司法書士や弁護士に相談してみるとよいでしょう。
では、また次回お楽しみに!
司法書士 たつみ