相続のはなし~法改正!すぐに預貯金の払戻しが受けられる?~
掲載日:2019.06.21
来月1日(令和1年7月1日)、民法の相続分野の一部が改正されます。
今日は、その中でも特に身近な改正点である「預貯金の払戻し制度」(民法第909条の2)について触れてみたいと思います。
これまでは、相続があった際、亡くなった方(被相続人)名義の預貯金の払い戻しを受けるためには、相続人全員の合意(遺産分割協議)が必要でした。
※相続人が一人である場合、遺言がある場合を除く
その結果、話し合いがまとまらず払い戻しが受けられない場合、葬儀代などの負担が問題になることがありました。
そこで、今回の改正では、預貯金の一定額について、遺産分割協議を経ずに各相続人が単独で払い戻しを受けられるように変更されます。
「一定額」には計算方法があり、次のとおりです。
【預貯金の額×1/3×法定相続分】
※法定相続分とは各相続人に認められた権利の割合のことですが、詳しくはこちらをご覧ください。
例えば、ある口座に預金が600万円あり、相続人が子2人の場合
600万×1/3×1/2=100万円 となります。
この計算は口座ごとにしますので、複数口座あればその分払い戻しを受けられることになります。
ただし、1金融機関あたり150万円の上限がありますので、注意が必要です。
改正直後は金融機関も対応が追い付かず、若干の混乱があるかもしれませんね。
では、また次回お楽しみに!
司法書士 たつみ