成年後見のはなし~遠方に住んでいても後見人になることができる?~
掲載日:2019.06.07
成年後見人になることは資格制ではないので、必ずしも司法書士や弁護士であることは条件ではありません。
実際、私も、親族の方が成年後見人になるケースにも関わって来ました。
では、ご親族が近くにいらっしゃらない場合はどうでしょう。
成年後見人には、身上保護義務というものが課されており、ご本人と定期的に面会などして健康状態を把握するよう努めなければなりません。
面会のことを考えると、もちろん近くに住んでいる方が望ましいということになります。
では、遠方に住んでいるご親族は成年後見人になることができないのか?という疑問があります。
これについて、私の知る限り明確な基準はありませんので、はっきりとお答えすることはできません。
ただ、私が関わったところでも、ご親族の方が、車で5~6時間程度の距離に住まれているケースがありました。
そのため、居住地が離れているということは問題にならないのではないかと思います。
もちろん、これはご本人の生活状況にもよります。
例えば、ご本人が施設に入所されていて、きっちり健康状態が管理できている場合と、一人暮らしをしていて、普段どのように生活されているか明らかではない場合では条件が変わって来るでしょう。
もし、遠方に住まれている方が成年後見人になることを希望される場合は、予め管轄の家庭裁判所に相談してみることをお勧めいたします。
明確な回答が得られないにしても、ある程度のことは教えてくれるのではないかと思います。
※本記事は成年後見に限定して記載していますが、保佐・補助でも同様に考えることができます。
では、また次回お楽しみに!
司法書士 たつみ