家の名義変更のはなし~不動産を転売した場合の名義変更【中間省略登記】~

掲載日:2019.02.24

例えば、小太郎さんから令子さんに不動産が売却されたあと、すぐに令子さんから小次郎さんへと売却された場合、不動産の名義をどうするか、という問題があります。

令子さんとしては、すぐに小次郎さんのものになるので、不動産を自分の名義にする(登記手続をする)必要性はあまり感じられないかもしれません。
そこで、このような場合、小太郎さんから直接小次郎さん名義にしてはどうか、という考え方があります。中間者への移転登記を省略することから、「中間省略登記」と言われています。
これができれば、令子さんは登記費用を掛けずに売買をすることができることになります。

しかし、実は、中間省略登記は原則として禁止されています。
理由は、登記手続には「事実を正確に反映する」というルールがあるからです。
今回の例では、小太郎さんから令子さん、令子さんから小次郎さんという2つの売買が行われたというのが事実なので、小太郎さんから小次郎さんに名義変更(移転登記)を行うことは、事実を反映しているとは言えませんよね。
また、令子さんへの移転登記を省略することで、令子さんが不動産を取得した事実が明らかにならず、脱税の温床になるとも言われています。
令子さんが不動産取得の事実を伏せてしまうと、不動産取得税や譲渡所得税などを逃れることができてしまうかもしれない、ということです。

例外的に中間省略登記が認められることがありますが、特殊なケースですので、疑問に思った場合は一度司法書士に相談してみるとよいでしょう。

では、また次回お楽しみに!

司法書士 たつみ