成年後見のはなし~成年後見制度利用促進法?~
掲載日:2018.05.27
平成28年5月13日に、成年後見制度の利用促進に関する法律、通称「成年後見制度利用促進法」が施行されました。
これは、成年後見制度の利用を促進しようという目的のために考えられたもので、この法律により、国は成年後見制度の利用の促進に関する施策を考え、地方自治体はそれに基づいて施策を考え、実施しなければならない、とされています。
この背景には、成年後見制度の利用者数が想定したほど増えていない、ということがあります。
実は、近年は新たに成年後見制度の利用を始める方の数がほぼ横ばいになっているのです。
平成24年:34,689件
平成25年:34,548件
平成26年:34,373件
平成27年:34,782件
※家庭裁判所公表データより
一方、65歳以上の高齢者数は毎年増加しています。
平成24年:3074万人
平成25年:3186万人
平成26年:データなし
平成27年:3388万人
※総務省統計局HPより
成年後見制度の利用のきっかけは、認知症によるものが多数を占めると考えられますので、高齢者の割合が増えているにも関わらず新規利用者が増えないということは、成年後見制度が社会に十分に浸透していない、もしくは支持されていないのではないか、ということになるわけです。
ただ、現時点では多くの自治体がまだ検討段階で、どのような利用促進策が実施されるのかは不透明ですが、私たち成年後見制度に携わる専門家としては、今後の動向に注目して行きたいと思います。
では、また次回お楽しみに!
司法書士 たつみ