マニアック法律知識~民法改正?~

掲載日:2018.04.06

さて、以前からテレビ等でも話題になっていましたが、いよいよ民法が改正されます。

もちろん民法のすべてが変わってしまうわけではなく、債権法と呼ばれる部分を中心とした一部分です。
すでに平成29年5月26日には国会で成立していたのですが、こちらが平成32年4月1日から施行されます。

個人的には、消滅時効についての改正が気になったので、ここで少し解説してみたいと思います。

これまで、債権の消滅時効は、「権利を行使することができるとき(相手に請求できるとき)から10年」とされていましたが、改正法では、先ほどの条件とは別に「債権者が権利を行使することができることを知った時から5年」という規定が加わりました。
どのような違いがあるのかと言うと、「権利を行使することができるとき」というのは客観的な要素で、「権利を行使することができることを知った時」とは債権者の主観的要素、ということになります。
上記いずれか早い期間の経過で消滅時効が成立するので、債権者が権利が行使できることを当初(権利を行使することができるとき)から知っていたような場合には、これまでより早く時効が成立することになりますね。
また、これまで医師等の報酬債権は3年、弁護士・司法書士等の報酬債権は2年など、職業や契約内容によって時効の期間が異なることがあったのですが、これらの規定はすべて削除され、原則上記10年と5年に統一されます。
なお、民法が改正される前に生じた債権については、以前の消滅時効の規定が適用されますので、ご注意ください。

この他にも様々な変更点があるので、法律の知識を使うことがある方は、平成32年4月1日以降は特に気を付けましょう!

では、また次回お楽しみに!

司法書士 たつみ