成年後見のはなし~施設入所時の保証人になってくれる?~
掲載日:2018.03.01
ご本人が施設に入所する際、保証人を付けるよう求められることがございます。
施設の態様にもよりますが、通常、保証人は、入居者が施設費用の支払いを怠った場合に代わりに支払いをする、ということになります。
しかし、賃貸借契約を想像すると分かりやすいのですが、保証人になっていただける方が簡単に見つかるわけではありませんよね。
では、成年後見人が代わりに保証人になってくれればよいのでは?とお考えの方もいらっしゃるようですが、実はこれはできません。
なぜかと言うと、保証人になった場合、保証人は、ご本人の代わりに費用を支払い、その後「ご本人に立て替えた費用を請求する」ことになります。
成年後見人は、ご本人の財産を管理しているので、もし成年後見人が保証人として費用を立て替えた場合、自分で自分に金銭の支払いを請求する、という矛盾した関係になってしまいます。
これを「利益相反行為」と言い、法律でも禁止されています(民法第860条)。
簡単に言うと、ご本人と対立するような関係になることはしてはいけない、ということです。
そもそも、成年後見人がいる場合、成年後見人がご本人の財産を適切に管理しておりますので、施設費用の支払いがされない、ということがありません。
施設の方には、このことをご理解いただいて、保証人なしで施設入所がでいるようにお願いすることになります。
今回は少し間が空いてしまいましたが、また明日から更新をしていきたいと思います!
では、また次回お楽しみに!
司法書士 たつみ