遺言のはなし~付言事項とは?~

掲載日:2017.12.11


遺言を作成する際、その内容は遺言者の自由な意思に基づいて作成することができます。
しかし、実は、遺言として法的に効力が生じるのは、法律で定められている部分に限られます。
また、法律で定められているのは、ほとんどが財産に関する事項なので、財産以外に関することを記載した場合は、法的には効力を生じない事項になる可能性が高いでしょう。
その場合、遺言には、法的に効力がある部分(受取人等を拘束する事項)と、法的には効力がない部分(受取人等を拘束しない事項)が存在することになります。
この、法的には効力はないけれど、受取人などへのメッセージとして記載する部分を「付言事項」と言います。

付言事項は、法的には効力を生じないので、あくまで受取人等がそのメッセージを受けてどうするか、という任意の行動を期待することになります。
例えば、遺留分を有している相続人に対し、「遺留分を行使せずに遺言の内容に従って欲しい」旨のお願いなども、この付言事項に記載することになります。
遺言を作成する際は、それが法的に効力がある部分なのか、それともメッセージになる部分なのかということを意識して作成することで、より遺言者様の希望を実現しやすくなるのではないでしょうか。

では、また次回お楽しみに!

司法書士 たつみ