マニアック法律知識~権利が自動で消える?混同とは~
掲載日:2016.10.05
法律の効果に「混同」というものがあります。普段の会話などでも使いますが、法律上もほぼ同じ意味です。
これは、権利者と義務者が同一になることにより、権利が自動的に消えるというものです。
例えば、太郎さんが花子さんに家を貸していたとしましょう。花子さんが太郎さんからその家を購入すると、花子さんが貸主でもあり、借主でもあることになりますね。
自分が自分に対して権利を持っているというのはちょっと変ですよね。
そこで、このような場合、自分に対して持っている債権(権利)は自動的に消えることにしたのです。
※債権及び債務が同一人に帰属したときは、その債権は消滅する(民法第520条)。
これを認めないと、先ほどの例でいうと、花子さんが花子さんに賃料を払って、花子さんが花子さんから賃料を受け取る、というなぞなぞのようなことになってしまいます。これでは面倒ですよね。
ただし、第三者が権利を持っている場合など、自動では消えないという例外もありますので、注意しましょう。
では、また次回お楽しみに!
司法書士 たつみ