登記のはなし~屋号で不動産取得が可能か~

掲載日:2016.06.27

95dd5f6bc91480602607224afeef08ac_s個人事業主は、「屋号」と呼ばれるものを使用することがあります。
「~商店」「居酒屋~」などのように、お店の名前として使われているものです。
屋号を使用していると、会社とほとんど変わらないように思われることもありますが、実は、会社とは重大な違いがあります。
それは、契約などの「法律行為の主体となり得るか」ということです。

例えば、会社が不動産を購入した場合、会社の名義で売買契約を行い、会社が不動産の名義人になることができます。
これは、会社が法人であり、法律行為(売買契約)の主体となることができるからです。
一方、個人事業主は、あくまで個人なので、例えば「司法商店」という屋号を使っていたとしても、司法商店の名前で契約を行い、司法商店名義で登記を行うことはできません。

このように、個人事業主の場合、事業のために取得した不動産であっても、代表者個人の名義になりますから、代表者がお亡くなりになると不動産は相続人のものになってしまいます。
そのため、 事業用の財産と個人の財産を区別するために法人化を行うということもあるかと思います。

この他にも個人事業主か法人かということで様々な違いがありますので、どちらが現状に適しているか慎重に考える必要がありますね。

では、また次回お楽しみに!

司法書士 たつみ