相続のはなし~行方不明者が死亡したことになる?~
掲載日:2016.02.05
さて、図のような場合、本来の相続人は律子さん(配偶者)と二郎さん、三郎さん(兄弟)です。
しかし、三郎さんが7年前から行方不明で生死も明らではありません。
これでは、相続人間で遺産の分け方についての話し合い(遺産分割協議)ができませんね。
遺言がない場合、原則としてこの話し合いをしなければ財産を相続人名義に変更することができません。
ですが、連絡が付かない、生死もわからない人とどうやって話し合いをしましょう?
そんなときのために、「長期間生死が明らかでない人を死亡したとみなす」制度があります。
これを「失踪宣告(しっそうせんこく)」といいます(民法第30条)。
家庭裁判所へ失踪宣告の申し立てをすると、ある人が生死不明になってから7年を経過した時点で死亡したこととみなされます(普通失踪)。
そうすると、三郎さんは死亡したことになり、律子さんと二郎さんだけで相続手続を行うことができますね。
失踪宣告は、このような相続の時に限らず、行方不明の人がいることによってトラブルになっている場合に利用することができます。
家庭裁判所ホームページにも案内がありますので、よろしければご覧ください。
手続が難しくてわからないという場合には、司法書士もお手伝いができますので、お気軽にご相談ください。
では、また次回をお楽しみに!