遺言のはなし~夫婦で一通の遺言を作成することの可否【共同遺言】~
掲載日:2017.06.06
遺言を作成する際、ご夫婦揃って、同じ内容の遺言を作成したいという場合もあるのではないでしょうか。
例えば、太郎さんと律子さん夫婦が、長男の小太郎くんにすべて相続させる、という遺言を作成したい場合などですね。
では、図のように夫婦共同で遺言を作成することはどうでしょう?
それぞれが署名捺印もしていますし、財産を小太郎くんに相続させたいという趣旨も伝わりますので、何も問題ないように思えます。
しかし、実はこのような遺言は禁止されています!
民法第975条:遺言は、2人以上の者が同一の証書ですることができない(共同遺言の禁止)
遺言は、あくまで各人が個別に作成しなければならないものなのです。
もちろん、公正証書で遺言を作成する場合は、公証役場において法律に従って作成されますから、このようなことは起こりません。
ただ、自筆で作成する場合は、チェックする方がいませんから、うっかりこのような形式(共同遺言)で作成してしまう、ということが起こり得ます。
この場合、せっかく作った遺言が無効になってしまいますので、くれぐれも気を付けましょう。
仲の良いご夫婦ほど、要注意ですね!
では、また次回お楽しみに!
司法書士 たつみ