マニアック法律知識③~どっちが泥棒?~

掲載日:2015.06.22

saru_itazura

さて、今回はちょっと刑法のお話をしてみたいと思います。

泥棒とは、刑法で言うところの「窃盗罪」のことです。

実はこの窃盗罪ですが、日本のルールの下ではちょっとおかしなことが起こります。

窃盗罪は、「人が占有している物を盗む」ことで成立するのですが、実はこれが問題です。
なぜかと言うと、占有とは、物を持っている状態のことで、その人が本当の所有者かどうかは問いません。

つまり、「本当の所有者ではなくても物を占有できる」のです。

例えば、小太郎くんがバッグを盗まれたとします。
小太郎くんは必死にその泥棒を追いかけ、バッグを取り返します。
しかし、泥棒は何と「バッグを盗まれた!」と言うのです。
そう、泥棒は盗んだバッグを「占有」していましたから、日本のルールでは、泥棒から盗む行為も窃盗罪に該当するのです。

実際に罪に問われる可能性は低いのですが、理論的には、「泥棒から盗んでも泥棒」ということになります。

このように、刑法にもちょっとおかしな法律やルールが存在します。

今後も面白いものがあればご紹介したいと思います。ではまた明日、お楽しみに!