相続のはなし~生活保護受給者の相続放棄~
掲載日:2022.09.22
相続が発生した場合、相続人は、相続するか相続放棄するかという選択肢があります。
相続放棄をすると一切の財産を受け取ることがないのですが、ここで、生活保護を受給している方も相続放棄をすることができるのか、という問題があります。
生活保護制度は、ご存知の通り、生活困窮者に対する支援であり、対象者の最低限度の生活を保障するためのものです。
最低限度の生活をするための不足分を補うというのが制度の考えであるため、別な収入源がある場合はそちらを優先的に生活費に充てることになるのですが、これは相続財産も例外ではないありません。
そのため、相続で受け取れる財産があるのであれば、受け取って生活費に充ててほしいというのが市区町村の保護課の方針となるでしょう。
しかし、相続財産というのは、必ずしもプラスの財産ばかりではなく、マイナスの財産(借金)も含まれますので、その内容によっては相続することがマイナスと判断されることもあります。
つまり、相続できるからといって、それがプラスかマイナスかはっきりしない以上、生活保護受給者が相続放棄できないということにはなりません。
生活保護受給中に相続人となった際は、この辺り保護課ともしっかり相談した上で、相続するか相続放棄するかを検討するとよいでしょう。
では、また次回お楽しみに!
司法書士たつみ