相続のはなし~相続時に債務を調べる方法~
掲載日:2021.10.31
相続手続を行う際、債務があるかどうかはその後の手続にも影響する重要なことです。
債務の有無をどのように判断するかということですが、被相続人(お亡くなりになった方)と同居しているなど、生前の生活状況がわかる場合を除くと、まずは請求書や口座の引き落としなどから推測するというのが一般的ではないでしょうか。
ただ、請求書が手元にない=債務がない、ということにはなりませんので、それでは安心できないという方もいらっしゃいます。
そこで、相続人は、CICなどのいわゆる信用情報機関に対し、被相続人の生前の借り入れ情報を照会し、債務状況を調べることができます。
これにより、現存する債務の額や借入日(契約日)などある程度の情報がわかります。
しかし、当然と言えば当然ですが、個人からの借り入れはこのような機関に問い合わせても明らかになりませんし、債務を完全に調べる方法がないというのが現実です。
債務の有無が不明でも相続放棄をすることはできますし、それにより将来明らかになった債務の負担も免れることができますので、心配であれば相続放棄をする選択もあります。
現実的には、生前の生活状況や残されている財産の額など総合的に判断して、相続するか相続放棄をするか、というのを決めていくことになるでしょう。
では、また次回お楽しみに!
司法書士 たつみ