成年後見のはなし~お孫さんにお年玉をあげても大丈夫?~

掲載日:2019.01.12

成年後見制度を利用した場合、後見人等はご本人のために財産管理行います。
「ご本人のために」ということは、つまり、ご本人の利益にならないのであれば、ご家族のためであっても原則としてお金を支出することができないということです。
ただ、この制度を利用される方はある程度高齢の方が多いので、そうするとこの時期、お孫さんなどにお年玉をあげるというのが恒例ではないでしょうか。
しかし、お年玉も、法的に考えると贈与にあたると言えますので、原則としてはお金を支出することはできないということになります。ご本人がそれを望むでしょうか。

そこで、このような、一義的にはご本人の利益にはならないものであっても、慣習上妥当な範囲内であれば、贈与にあたっても支出は認められるものと考えられています。
つまり、お年玉をお孫さんなどにあげることも可能だと言うことです。
ただ、金額や渡す相手との関係性によって妥当性を判断する必要があります。例えば、5歳のお孫さんに10万円のお年玉をあげるのは、普通に考えるとおかしいですよね!
判断がむずかしいこともあるかと思いますので、事前に家庭裁判所に相談してから支出することをお勧めいたします。

※本記事中、後見人等とは、成年後見人・保佐人・補助人を指します。

では、また次回お楽しみに!

司法書士 たつみ