遺言のはなし~メモ書きが遺言になる?~

掲載日:2018.03.23

お亡くなりになった方が正式な遺言を作成していなくても、メモ書き程度に財産について記載しているようなことがあるかと思います。

例えば、「全財産を妻に相続させる」というメモを残していたような場合ですが、そのようなメモ書きには遺言としての効果はあるのでしょうか?
なお、「遺言」という題は付いていないものとします。どうでしょう?

・・・実は、メモ書きであっても、記載の仕方によっては遺言として有効になる可能性があります!

遺言には、いくつか作成方法がありますが、自筆で作成する遺言(自筆証書遺言)の場合、①全文を自筆すること②日付を記載すること③氏名を記載すること④押印すること、という4つの条件を満たす必要があります。
逆に言うと、遺言書(または遺言状)というタイトルがないメモ書きであっても、内容が上記4つの条件を満たしていれば、それは遺言として有効ということになります。

そのため、ただのメモ書きだと思って処分せず、遺言としての要件を満たしているかしっかり確認する必要があるでしょう。
なお、遺言の要件を満たしていなければ法的に効力はありませんが、その記載から故人の遺志がわかるのであれば、あとは相続人の皆様がどのように判断するか、ということになるでしょう。

もちろん、公正証書で作成するなど、しっかりとした遺言を作成しておけば、このような悩みもないのですが。

では、また次回お楽しみに!

司法書士 たつみ