成年後見のはなし~制度の利用は途中で止められない?~

掲載日:2018.01.24

成年後見制度を利用する際に「途中で利用を止めたい場合はどうするのか」というご質問を頂戴することがあります。
しかし、実は、一度開始した成年後見制度の利用は、ご本人がお亡くなりになるか、ご本人の判断能力が回復した時しか終了しません。
ここは多くの方が誤解されているところかもしれません。

例えば、「定期預金を解約するために制度を利用したい」もしくは「施設との契約をするために制度を利用したい」というような場合に、一度その手続が終わってしまえば、その他は成年後見人等の手伝いを必要としない、というようなこともあります。
確かに、収支が安定していて、施設費や保険料などの日常生活費をすべて口座振替にしているような場合、成年後見人等がいなくても生活するのには困らない、ということもあるでしょう。
ですが、成年後見制度が開始するのは、「ご本人の判断能力が不十分なので、支援する人(成年後見人等)が必要である」ということなので、目先の問題が解決したかどうかということは利用を終了する理由にはならないのです。
つまり、一度開始した制度の利用は原則としてずっと続く、ということですね。

現在の成年後見制度では、問題になっている手続を処理するためだけ、つまり一時的に制度を利用するという方法はありませんので、その後のことも考えて利用を始めるとよいでしょう。

では、また次回お楽しみに!

司法書士 たつみ