家の名義変更のはなし~建物を取り壊す時にも登記が必要?~

掲載日:2017.10.23

老朽化などの理由により、建物を取り壊した場合、ただ取り壊すだけでは不十分なのをご存知でしたか?

実は、建物を取り壊しても、「建物の滅失登記」をしなければ、登記上の建物はそのまま残っている状態なのです。
登記は、原則として自主申告制なので、当事者が申告しない限り、現実には存在しない建物であっても、書面上(登記上)は消滅しません。
そのため、そこに新しい建物を建てようとしても、同じ場所にすでに建物が存在していることになり、新しい建物の登記(表題登記)は行えないことになってしまいます。
これでは、土地の売却などの処分が制限されてしまいますよね。

また、建物の滅失登記は、取壊し後1カ月以内にしなければならない(不動産登記法第57条)、という決まりがあるため、この期限を過ぎると10万円以下の過料を科される可能性もありますので、建物を取り壊した際は、この「建物の滅失登記」の手続を忘れないように注意しましょう。

なお、同じ不動産の登記でも、建物の滅失登記は「土地家屋調査士」さんが専門ですので、そちらにご相談いただくことをお勧めいたします。

では、また次回お楽しみに!

司法書士 たつみ