成年後見のはなし~利益相反行為とは?~
掲載日:2017.10.06
利益相反行為とは、一方の利益を追求することで、もう一方(相手)の利益が失われる行為のことです。
通常、利益相反行為というものを意識して生活はしていないでしょう。
ただ、これが特に問題になることがあります。それが「成年後見人と本人」の関係です。
成年後見人は、本人の利益を守るため、本人の代わりに法律行為を行う人間(法定代理人)です。
しかし、成年後見人が利益相反行為(例えば、本人の代理人として成年後見人に贈与をするといった行為)を行うと、本人の利益を守るという成年後見人本来の任務が果たせなくなってしまいます。そのため、成年後見人は、利益相反行為を行うことが禁止されているのです。
※民法第860条及び第826条参照
普段であれば問題にならない行為、例えば、親(本人)から子(成年後見人)へ生活費を援助するなどの行為が、成年後見制度を利用している場合、利益相反行為として禁止されることがあります。
成年後見制度を利用している間は、今までどおりの感覚でお金の処理をすることで、大きな失敗をしてしまうかもしれませんので、気を付けましょう。
では、また次回お楽しみに!
※本記事は、成年後見人に限定して記載しておりますが、保佐人・補助人の場合も同様に考えることができます。
司法書士 たつみ