マニアック法律知識②~遺留分~
掲載日:2015.05.01
遺留分(いりゅうぶん)とは、相続人に保証された最低限の相続する権利のことです。
例えば父が亡くなった場合に、相続人が母・息子・娘の3人だったとします。そうすると、法律で定められた相続分は母4分の2、息子4分の1、娘4分の1です。
しかし、父が、遺言で「全ての財産を母に相続させる」と書いていたとします。遺言のとおりだと、本来相続する権利を持っているはずの息子と娘は相続することができなくなってしまいます。
もちろん、当事者に不満がなければこれで良いのですが、常にみんなが納得するわけではないですよね。
そこで、相続人の権利を保護するために、「遺留分」という権利が認められているのです。
原則として、本来の相続分の2分の1が相続人に保障されています(兄弟姉妹を除く)。
上記の例だと、息子と娘は本来の相続分である4分の1の2分の1、つまり8分の1ずつは相続する権利があるということになります。
そして、遺留分を有する相続人は、財産を受け取った者に対して自分の権利を請求することになります(遺留分減殺請求)。
ただし、気を付けていただきたいのは、遺留分を侵害する内容の遺言も一応「有効」だということです。
遺言を書くときには遺留分は関係がなく、あくまで、不満のある人があとから自己の権利を請求をすることができる、というだけです。
遺留分減殺請求がなければ遺言の内容のとおり相続をすることができます。