相続のはなし~相続する権利を譲渡する?~

掲載日:2016.12.16

d1425906122aff1e90b9fa29ba8fc74c_s相続手続を行う際、相続することを望まない相続人がいらっしゃることがあります。
例えば、相続人が、「すべて長男(その他相続人の代表)が相続したらよい」と考えているような場合ですね。

このような場合、相続放棄という選択肢がありますが、相続放棄は、家庭裁判所に申立をしなければならないので、やや手続が煩雑で、時間も要します。

そこで、相続放棄をしなくても、相続する権利を他の人に譲る方法があります。それが、「相続分の譲渡」です。この方法ですと、家庭裁判所での手続は必要ありません。
ただ、相続放棄とは異なり、相続人は相続人のまま(相続財産に対する権利だけ失う)なので、後日債務があることが判明したような場合、他の相続人と同様支払義務は免れません。ここは注意が必要ですね。

なお、遺産分割協議により、同じような効果を得られますが、多少手続の流れが異なりますので、どちらがよいかはケースバイケースといったところでしょうか。

また、相続分の譲渡の特徴として、譲渡する相手は相続人に限られず、相続人以外にも譲渡が可能です。
しかし、相続人以外の方が関わることでトラブルになる可能性もありますので、十分な注意が必要です。

では、また次回お楽しみに!

司法書士 たつみ