マニアック法律知識~死因贈与とは?~

掲載日:2016.07.29

2bdbd18feac7a37be0fa2096c511e577_s「死因贈与」とは、遺贈(遺言による贈与)に似た効果を持つ「契約」のことです。

例えば、山田太郎さんに相続人がおらず、いつもお世話になっている法務司郎さんに財産を残したいと考えます。
ただ、住んでいる家など、生前は譲る予定のない財産だとすると、生前贈与をするわけにはいきません。
そのような場合に、「自分が死んだ時に財産を贈与する」という契約を結ぶわけです。これが「死因贈与契約」です。

遺言の場合、自分で作成する自筆証書という方法ですと、死後に検認という家庭裁判所での手続が必要ですし、遺言の要件を満たしていないと無効になることもありますが、死因贈与は様式が決まっていない契約なので、極端な話、契約書を作成しなくとも有効ですし、もちろん贈与者の死後に家庭裁判所での手続も必要ありません。
※実際には、安全のために契約書は作成すべきでしょう。

ただ、死因贈与は、遺言に比べて利用されることが少ないのが現実かと思います。
それは、死因贈与が「契約」だということが理由ではないでしょうか。
契約である以上、当事者間で財産について話し合いをして、財産の贈与についてお互いの合意がなければなりません。
しかし、自分が元気なうちに自分の死後、特に財産のことについて相手と話し合うというのはなかなかむずかしいのではないでしょうか。
それに対して、遺言の場合、自分の意思だけで作成できるという気軽さがあるのかと思います。

やはり利用が広まらないのにはそれなりの理由があるということでしょうか。

では、また次回お楽しみに!

司法書士 たつみ

—————————————————————————————————————————————
相続手続/相続放棄/遺言作成/成年後見/家の名義変更/法人登記/法律トラブル
不動産の相続手続は司法書士にお任せください!
札幌市北区新川4条4丁目1番66号
札幌北司法書士事務所
TEL 011-788-5525
FAX 011-788-5585
—————————————————————————————————————————————