相続のはなし~債務は誰が相続する?~
掲載日:2016.06.06
例えば、図のように、小太郎くんと小次郎くんという相続人がいる場合、どちらが何を相続するかを話し合い(遺産分割協議)で決定することになります。
※遺言はないものとします。
今回は、小太郎くんが全部の財産を取得し、債務も相続するという遺産分割協議が整いました。
小次郎くんは、「これで手続は全部小太郎に任せておけばよい」と安心しています。
しかし、これは要注意!
実は、相続の場合でも、債務者を勝手に変更することはできません。
つまり、今回のように、遺産分割協議で債務を相続する人を決めても、債権者に対しては「小次郎は債務者ではない」と主張することはできません。
結局、小次郎くんも債務を負担することになるのですね。
債務者を相続人だけで変更できるとなると、債権者の知らないうちに資力(財産)のない相続人が債務者になり、お金を回収できなくなる恐れがあります。
それでは債権者に酷なので、債務を特定の相続人に負担させたい場合は、「債権者の承諾を得なければならない」ということになっています。
遺産分割協議を行う際は注意が必要ですね。
※今回の債務は、すべて金銭債務を想定して記載しています。
では、また次回お楽しみに!
司法書士 たつみ