成年後見のはなし~被後見人でも遺言は作れるのか~
掲載日:2016.05.19
被後見人(成年後見制度を利用するご本人)は、医師や弁護士・司法書士になることができない、という資格制限があるのですが、遺言書の作成についてはどうでしょう。
まず、被後見人(ご本人)は、「自分では物事を判断する能力がなくなってしまった状態」の方です。
※正確には、精神上の障害により事理を弁識する能力を欠く常況にある者をいいます(民法第7条)。
自分で判断する能力がないのに、遺言書を作成することができるのか?ふつうに考えると、ちょっとむずかしそうですよね・・・
しかし、法律上は、医師2人以上の立会いがあれば作成可能です。
これは、ご本人が、体調などによって判断能力が戻るような場合を想定しています。
被後見人であっても、そのときに意識がしっかりしていて、医師がそれを証明することができるのであれば、遺言書の作成は妨げられない、ということです。
ただし、上記のような条件を満たすのは容易ではないので、あまり現実的ではないかもしれません。
あのとき遺言書を作ってもらえばよかった・・・とならないようにしたいですね。
では、また次回お楽しみに!
司法書士 たつみ