成年後見のはなし~後見人の報酬について~
掲載日:2016.03.22
成年後見制度について話すとき、「後見人の報酬はどれくらいなのか?」という質問を多くいただきます。
任意後見の場合、当事者間の契約で報酬を定めるので、後見人の報酬は「契約書に記載された額」ということになります。
一方、法定後見の場合、家庭裁判所が報酬を決定することになっているので、事前に後見人の報酬額を知ることができません。
※法定後見と任意後見についてはこちらのページをご覧ください。
後見制度を利用した場合に、「今後どれくらい費用負担することになるのか予測できない」というのは心配ですよね。
ただし、家庭裁判所は、ご本人の財産額に応じて報酬額を決定しますので、法定後見の場合でも「ご本人の財産に応じて適切な報酬額になる」ということなのですが、それでも、何の基準も示されないことを不安に思う方も少なくないようです。
なお、東京家庭裁判所ホームページでは、月額2万円という後見人の報酬基準額を示していますが、こちらはあくまで参考ということでご理解いただければと思います。
また、「家族が後見人になれば報酬は発生しない」というのは誤解で、ご家族が後見人であっても報酬自体は発生しています。
ただ、ご家族が後見人である場合「発生した報酬を受け取らない」という方がいらっしゃるということです。
そのため、後見人の報酬が心配だから、という理由でご家族を後見人に指名するということもあるでしょう。
それにしても、報酬の基準がはっきりしないというのは、法定後見の利用を躊躇させる原因の一つではないでしょうかね。
何とかしていただけるとよいのですが・・・
では、また次回お楽しみに!
※上記はすべて成年後見を利用した場合について記載しましたが、保佐・補助を利用した場合も同じように考えることができます。