家の名義変更のはなし~相続人の一人だけで手続が可能?~
掲載日:2017.05.30
不動産登記においては、当事者が申請をするのが原則です(当事者申請主義)。
例えば、売買による名義変更であれば、売主さんと買主さん両者が申請人となります。
しかし、実はその例外があります。それが、相続による名義変更です。
相続手続において、相続人全員の法定相続分通りに不動産の名義変更を行う場合には、その一人からでも申請が可能、ということになっております。
例えば、相続人がAさん(長男)Bさん(二男)の2人であった場合、それぞれ2分の1ずつの名義で不動産を取得する、という登記手続であれば、Aさん(orBさん)お一人でも手続可能なのです。
この場合、申請をしなかった相続人も、不動産の(共有)持分を取得しますので、申請に関わらなかったからといって権利を失うわけではありません。
ただし、申請に関わらなかった相続人には、登記識別情報(権利証)が通知されないので、注意が必要です。
登記識別情報は、将来不動産を売却する際などに必要になりますので、通知されなかった相続人にとっては、少し不利益になりますね。
なお、相続による名義変更以外にも、当事者以外から登記を申請することもあるのですが、それはまた別な機会に。
では、また次回お楽しみに!
司法書士 たつみ