遺言のはなし~相続人の権利(相続分)を変更する?~

掲載日:2017.12.22

相続が発生した場合、相続人が法的に有する権利の割合(法定相続分)というものが定められています。
原則として、相続人は、この割合に応じて相続財産を取得する権利を有します。

ただし、その例外として、遺言によって相続分を変更することができるのです。
例えば、妻、長男、次男の3名が相続人である場合、それぞれの法定相続分は、妻4分の2(2分の1)、長男及び次男が4分の1、となります。
これを、遺言によって、妻10分の8、長男及び次男が10分の1ずつ相続する、というように、それぞれの相続分を変更することができます(相続分の指定)。

特定の財産を相続させることとの違いは、相続人の間では、具体的にどの財産を誰が取得するか、ということが定まらないので、相続手続を行う前に相続人皆様の話し合い(遺産分割協議)が必要だということです。
相続分の指定をした場合、相続人の権利の割合は指定するけれど、具体的な財産の分配は相続人同士に任せる、ということになります。

なお、相続分の指定をする際の注意点としては、「遺留分」を超えて相続分を減らした場合、遺留分減殺請求の対象となる、ということです。
遺留分について、詳しくはこちらをご覧ください。

特定の財産を指定する方法と相続分の指定をする方法、遺言を作成する場合は、どちらの方法がご自身の希望に沿うのか検討していただければよいかと思います。

では、また次回お楽しみに!

司法書士 たつみ