成年後見のはなし~出納帳(家計簿)は必要?~

掲載日:2017.12.18


後見人などがご本人の財産を管理する際、日々の収支の帳簿(出納帳や家計簿)を作成する必要があるのか、という問題です。

実は、出納帳や家計簿の作成は義務ではありません。
しかし、毎年家庭裁判所へ報告をするときには、臨時の収入や多額の支出について報告する必要がありますので、帳簿を作成している場合、いつ、どのような収入・支出があったのかということを一覧で確認することができ、非常に便利です。
また、帳簿がない場合、現金での取引は、レシート(領収書)を紛失してしまうと、どのような支出があったのか全くわからなくなってしまいます。
特に、多額の支出についてレシート(領収書)が残っていないと、場合によっては不正を疑われてしまう可能性すらあります。
帳簿でお金の流れを明らかにしておくことで、レシート(領収書)が残っていなくても、収支の辻褄が合いますし、後日取引先に確認することもできます。
慣れないうちは大変な作業かもしれませんが、あらぬ疑いを掛けられ嫌な思いをすることを考えると、作成する手間よりも結局メリットの方が大きいように思います。

帳簿の作成は義務ではありませんので、誰かのために作成するのではなく、むしろ自分の身を守るために作成する、と考えていただけるとよいのではないでしょうか。
なお、作成した帳簿は、家庭裁判所への報告の際、他の書類と併せて提出するとよいでしょう。

では、また次回お楽しみに!

司法書士 たつみ