遺言のはなし~財産の売却代金を取得させる?~

掲載日:2017.11.24

遺言を作成する場合、「不動産や株式を相続させる(遺贈する)」というように、譲り渡す財産を指定して作成するのが一般的かと思います。

ですが、財産そのものではなく、その財産を売却したあとの金員(現金・預貯金)を譲渡する、という記載方法も認められています。
例えば、ご自宅を遺言により譲渡するケースで、自身は最後までそこで暮らしたいが、受取人には売却後のお金だけを譲渡したい、というような場合ですね。
このように、財産そのものではなく、財産の売却後の金員を取得させるという遺言方法を「清算型遺贈」と言います。

通常の遺言では、遺言執行者(遺言の内容に従って相続手続をする方)は、対象の財産を受取人にそのままの状態で取得させればよいのですが、清算型遺贈の場合、一旦不動産などの財産を売却したあと、残額を受取人に取得させる、ということになります。
この方法ですと、相続の対象になる財産が管理のむずかしいもの(例えば、相続人の居住地とは遠方の不動産)の場合など、受取人の負担を減らすことができるでしょう。
ただ、その分遺言執行者の手間は増えますので、遺言執行者は専門家に依頼することも検討するとよいかと思います。

では、また次回お楽しみに!

司法書士 たつみ