遺言のはなし~遺言(書)はどのように保管する?~

掲載日:2017.11.02

遺言を作成した場合、遺言(書)をどのように保管すればよいのか、という問題があります。

原則としてはもちろん、遺言作成者(遺言者)自身が、金庫などに入れて大切に保管する、ということになるでしょう。

ただ、遺言というのは、遺言作成者が亡くなった時に初めて効力が生じるため、実際に使用するのは受取人や遺言執行者(遺言に従って財産を分配する人)ということになります。
そのため、最初から受取人などに預けておく、という方も少なくないようです。

ここで気を付けたいのは、公正証書で作った遺言と自筆で作った遺言の違いです。

公正証書で遺言を作成した場合、正本と謄本という2種類の遺言(書)が発行されますが、原本が公証役場で保管されているため、謄本については再発行が可能です。
つまり、紛失してしまっても、謄本の再交付を受ければ、相続手続は行うことができます。
一方、自筆で作成した場合、遺言書は1通しかありませんので「なくなってしまえばそれまで」ということになります。

ご本人が保管するか受取人などが保管するかは、それぞれの事情によって判断することになりますが、上記のような違いがあるため、自筆証書の場合は、公正証書の場合より慎重に判断する必要があるでしょう。

では、また次回お楽しみに!

司法書士 たつみ