マニアック法律知識~養子縁組の効果?~

掲載日:2017.09.22


養子縁組とは、ある人とある人が、法律上の親子関係を形成するための法律行為のことです。
なお、養子縁組をするための手続等については、前回の「養子縁組をするには?」をご覧ください。
今回は、養子縁組が成立したあとの効果について記述してまいりたいと思います。

養子縁組が成立すると、養子は、法的に養親の実子として扱われます。そのため、原則として、氏(苗字)も養親のものを名乗ることになります。
また、養子は、養親だけでなく養親の親族との間にも親族関係が生じます。
例えば、AさんがBさんの養子になったとすると、Aさんにとって、Bさんと血縁関係にある(Aさんから見て)6親等内の親族は、Aさんにとっても親族ということになります。
逆に、養親(Bさん)は、養子(Aさん)の親族とは親族関係が生じません。養子が養親の親族関係に組み込まれるようなイメージでしょうか。

加えて、養子は、血縁上の両親の実子としての地位を失うわけではありませんので、養子から見ると、「養親の数だけ親が増える」ということになります。
これは、相続するときにも大きな影響があります。
養子は、実親の相続権と養親の相続権を両方を有するということになりますので、養子になったからといって、実親の相続関係から外れるわけではありません。
ご親族に養子縁組した方がいる場合、相続があった際の相続人の確認に気を付けましょう。

なお、養子縁組は、婚姻と同じように、養親子関係を解消するための「離縁」という手続があり、これにより、養子と養親及び養親の親族との親族関係は終了します。

では、また次回お楽しみに!

司法書士 たつみ