成年後見のはなし~後見人の選び方~

掲載日:2016.04.13

53873c3477a7033ecfa58720ff58564b_m成年後見を利用する場合、誰が後見人になるのか、というのは非常に大事なポイントですよね。今回はこのことに触れてみたいと思います。

実は、後見人は資格制ではありませんので、原則としてどなたでもなることができます。

申立人である親族が自分でなりたい、という場合はもちろん、信頼できる(すでに知っている)専門家(司法書士・弁護士等)に後見人になってもらいたい、ということもありますよね。
その場合は、「この人を後見人にしてください」と、後見人の候補者を指名して裁判所に申し立てることになります。
ただし、「最終的には家庭裁判所が決定する」ので、必ず指名した候補者が後見人に選ばれるとは限りません。

最近では、ご家族よりも専門家が選ばれる傾向にありますので、ご家族の方が後見人になる予定で申立をしても、結局専門家が後見人に選ばれることもある、ということはご理解いただいた方がよいかと思います。
※候補者が選ばれにくいケースが、東京家庭裁判所のホームページ上(Q12)で示されていますので、興味がある方はそちらをご覧ください。

なお、ご家族が後見人である場合を「親族後見人」、専門家が後見人である場合を「専門職(第三者)後見人」ということがありますが、いずれも後見人という立場には違いありません。
ただ、同じ後見人であっても、例えば、「親族後見人は親族としての関わりが期待できる」、「専門職後見人は知識が豊富」というような特徴がありますので、便宜上分けて呼ぶことがあるのです。

成年後見の申立をする際は、このようなことを踏まえて、誰を候補者にするか検討するとよいでしょう。

※今回の記事は、後見制度の中でも利用が圧倒的に多い「法定後見」に関しての記述となります。

では、また次回!

司法書士 たつみ