遺言のはなし~日付の記載は必要?~

掲載日:2017.07.07

遺言書の日付ですが、公正証書で遺言を作成する場合、公証役場において作成日を記載するので、特に問題にはなりません。

しかし、自筆で遺言を作成する場合、自身で日付の記載はをしなければなりません。そして、日付の記載を忘れた場合、何とその遺言は「無効」になってしまいます。
つまり、自筆で遺言を作る場合、日付の記載は必須です。

実は、遺言が複数作成されていた場合、後に作成した遺言の内容が優先する、ということになっていますので、日付は、遺言が複数作成されていた場合の優劣を決める非常に重要な要素なのです。

では、日付の記載として「平成29年7月吉日」と書いた場合はどうでしょう?7月中の吉日ということである程度特定はされますが、吉日は1日だけではないので、具体的な作成日となると不明ですね。ということで、こちらは不可です。
では、「平成29年7月海の日」ではどうでしょう。吉日とは異なり、該当日は1日しかないので、具体的な日付が特定できます。そのため、こちらは有効と考えられます。
ただ、過去には、具体的な日付の記載がない遺言の有効性が裁判で争われたケースがありますので、「平成29年7月7日」のように、誰の目から見ても明らかな形で日付を記載することが望ましいでしょう。

他の部分に不備がなくても、日付の記載がないだけで遺言書全体が無効になってしまうという、なかなか恐ろしい話ですね。
ご自身で作成される場合は十分に気を付けましょう。

では、また次回お楽しみに!

司法書士 たつみ